相続人申告登記とは?相続登記との違いやメリット・デメリットも解説

2026-06-30

【6月4週目 編集中】相続人申告登記とは?相続登記との違いやメリット・デメリットも解説

この記事のハイライト
●相続人申告登記は登記義務を一時的に果たせる制度であり所有権を移転する相続登記とは異なる
●相続人申告登記には手間や費用を抑えながら相続人単独でも手続きができるといったメリットがある
●相続人申告登記後に協議がまとまったら改めて相続登記の手続きをしなければならない

亡くなった方が所有していた不動産を引き継ぐ際には、相続登記という名義変更の手続きが必要です。
これまで相続登記は任意でしたが、近年の社会的な課題を受け、現在は義務化されています。
そして、義務化にともない新たに導入された制度が「相続人申告登記」です。
この記事では、相続人申告登記の仕組みや相続登記との違い、そしてそれぞれのメリット・デメリットについて解説します。
藤沢市や鎌倉市で不動産の相続を予定している方は、ぜひ参考になさってください。

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相続人申告登記とは?相続登記の違いは?

相続人申告登記とは?相続登記の違いは?

相続人申告登記とは、相続によって不動産を取得する可能性のある方が、自分が相続人であることを法務局に申告する制度です。
申請を行うと、登記官によって申告した相続人の「氏名」や「住所」などが登記記録に登録されます。
略して「申告登記」と呼ばれることもあり、この制度は相続登記の義務化と同時に新設されました。
相続登記の手続きがすぐに完了できない場合でも、申告登記をすれば義務を果たしたとみなされるという仕組みです。

制度が生まれた背景

相続人申告登記が導入された背景には、長年問題となっていた「相続登記の放置」があります。
相続登記とは、亡くなった方(被相続人)が所有していた不動産の名義を、相続人の名義に変更する手続きです。
これまでは任意だったため、名義変更が行われないまま放置されるケースが多く見られました。
名義が古いままの土地や建物は、所有者が誰なのか分からず、公共事業や災害復旧工事の妨げになります。
また、所有者不明土地が増加したことで、空き家問題の深刻化にもつながり、大きな社会問題となっていました。
こうした状況を改善するため、令和6年4月から相続登記が義務化され、その一環として相続人申告登記の制度が誕生しました。

相続人申告登記の目的

相続人申告登記を行う最大の目的は、相続登記の義務を一時的に果たすことができる点にあります。
通常、相続登記を申請するためには「遺産分割協議」を行い、相続人全員で財産の分け方を決めなければなりません。
しかし、相続人の中に連絡が取れない方がいたり話し合いが長引いたりすると、協議がすぐにまとまらないことも少なくありません。
遺産分割協議は相続人全員の同意が必要で、誰か1人でも欠けた状態では成立しないルールになっています。
一方で、相続登記には期限があり、手続きを怠ると過料(罰則)の対象となるおそれがあります。
このような時に相続人申告登記を行えば、相続登記義務を履行したものとみなされ、ペナルティを回避できるのです。

相続人申告登記と相続登記の違いは?

先述のとおり、相続登記とは亡くなった方が所有していた不動産の名義を、相続によって取得する方へ正式に変更する手続きです。
一方で相続人申告登記は、遺産分割協議がまとまっていない段階で、自分が相続人であることを法務局に申告する制度を指します。
この制度の目的は、相続登記の期限までに協議が終わらない場合でも、「財産を引き継ぐ可能性がある相続人が存在している」ことを公に示す点にあります。
申告が受理されると、登記簿には相続人の氏名や住所などの基本情報のみが記載されますが、所有権そのものは移転しません。
そのため、遺産分割協議が完了した段階で、改めて相続登記を行い、正式に権利関係を登記簿へ反映させる必要があります。
相続人申告登記はあくまで「つなぎ」の制度であり、最終的な手続きとして相続登記を完了させることが重要です。

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相続人申告登記を活用するメリットとは?

相続人申告登記を活用するメリットとは?

続いて、相続人申告登記を活用する主なメリットを解説します。

とりあえず義務を果たすことができる

相続人申告登記をするメリットは、期限内に相続登記が完了しなくても、とりあえず義務を履行できることです。
相続登記は令和6年4月から義務化されましたが、実際の手続きには多くの書類や準備が必要で、期限内に完了できないケースも少なくありません。
遺産分割協議が長引いた場合に、とりあえず相続登記の義務を果たす方法として「法定相続分での相続登記(相続人全員の共有名義にする登記)」をおこなうことも可能です。
しかし、この方法では登録免許税(税金)などの高額な費用がかかり、書類を集める手間も膨大です。
一方、相続人申告登記であれば登録免許税はかからず(非課税)、自分が相続人であることがわかる最低限の戸籍等のみで申請できるため、費用や書類準備の負担を大幅に抑えつつ義務を果たしたとみなされます。
忙しい方にとって心強い制度といえるでしょう。

相続人単独で、手間と費用を抑えて手続きできる

相続人申告登記のもう一つのメリットは、相続人が単独で申請できる点です。
相続登記のように、相続人全員の同意を得たり、押印や署名をそろえたりする必要はありません。
必要書類も少なく、申請は自分のタイミングで行うことができます。
他の相続人と連絡が取れない場合や、話し合いが長引いている場合でも、自分一人で手続きを進めることが可能です。

義務不履行による罰金(過料)を回避できる

相続登記には期限が設けられており、正当な理由なく手続きを怠ると過料の対象となる可能性があります。
このようなときでも、相続人申告登記をしておけば、登記義務を履行したものとみなされるため過料を免れることが可能です。
時間をかけて冷静に協議を進めたい場合や、準備不足で期限に間に合わない場合の「救済的な制度」として非常に有効といえます。

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相続人申告登記をおこなうデメリットとは?

相続人申告登記をおこなうデメリットとは?

最後に、相続人申告登記をするデメリットも確認しておきましょう。

土地や建物は売却できない

相続人申告登記で登記されるのは申請者の氏名と住所のみであり、所有権などの権利関係は登記されません。
法的には「所有者」ではないため、売却や譲渡といった不動産の処分行為は行えません。
亡くなった方が所有していた不動産を売却し、その売却金を相続人同士で分け合う場合には、相続登記による名義変更を済ませる必要があります。
名義変更をしていないと、遺産分割の一環として不動産を売ることができないため注意しましょう。

二度手間になる可能性がある

相続人申告登記は、あくまで期限内に義務を履行するための暫定的な手続きにすぎません。
申告を行っても、名義変更が完了するわけではなく、遺産分割協議がまとまった段階で改めて相続登記を申請する必要があります。
つまり、最終的には2回登記の手続きを行う必要があるということです。
一度の手続きで完結するわけではないため、相続人申告登記を選ぶ際は「その後に正式な相続登記が必要になる」点を理解しておくことが大切です。
また、遺産分割協議がまとまった場合には、「遺産分割が成立した日から3年以内」に正式な相続登記をおこなわなければならず、これを放置すると再び過料(罰則)の対象となるため十分に注意しましょう。

登記簿に住所と氏名が公開される

相続人申告登記を行うと、申請した相続人の情報が登記簿謄本に反映され、誰でも閲覧・取得できる状態になります。
その結果、固定資産税の納税通知書が申請者のもとに届く可能性があります。
固定資産税は毎年1月1日時点の所有者に対して課されますが、自治体が所有者を特定できない場合、登記簿上の相続人に通知が送られるケースがあるためです。
また、登記簿は公の書類であるため、不動産会社などから営業の連絡が来たり、個人情報が第三者の目に触れるリスクもゼロではありません。
こうした点を理解したうえで、利便性とリスクの両面を考慮して利用することが大切です。

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まとめ

相続人申告登記とは、相続によって不動産を取得する可能性のある方が、自分が相続人であることを法務局に申告する制度です。
手軽に義務を果たせる便利な制度である一方、権利移転ができない・手続きが二度必要・個人情報が公開されるといったデメリットも存在します。
「すぐに登記できないが期限を守りたい」という場合に有効な手段ですが、最終的には相続登記を完了させる必要があります。
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