相続土地国庫帰属制度とは?かかる費用や利用するメリットも解説!

2025-02-04

相続土地国庫帰属制度とは?かかる費用や利用するメリットも解説!

この記事のハイライト
●相続土地国庫帰属制度とは使わない土地を国庫に帰属させることができる制度である
●相続土地国庫帰属制度を利用する際は審査手数料と負担金が発生する
●相続土地国庫帰属制度のメリットには不要な土地だけを手放せることや損害賠償責任が限定的であることなどが挙げられる

使わない土地を相続すると大きな負担になり、さまざまな問題発生にもつながります。
それらを解決するために、2023年4月27日から相続土地国庫帰属制度が開始しました。
そこで今回は相続土地国庫帰属制度とはどのような制度なのか、費用やメリットなどもふまえて解説します。
藤沢市や鎌倉市で不動産を相続する可能性のある方は、ぜひご参考にしてください。

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相続土地国庫帰属制度とは①要件や制定された背景

相続土地国庫帰属制度とは①要件や制定された背景

相続土地国庫帰属制度とは、使わない土地を国に引き渡すことができる制度です。
相続や遺贈によって土地を取得した方が負担金を納めると、土地の所有権を国に帰属させることができます。
比較的新しい制度なので、まず要件や制定された背景を確認してみましょう。

制度を利用するための要件とは

相続土地国庫帰属制度は、だれでもどのような土地でも利用できるわけではありません。
利用できる方や利用できる土地には、それぞれ要件があります。
利用できる方の要件は、「相続人であること」と「相続または遺贈によって、土地または土地の共有持分を取得したこと」のどちらも満たす方です。
相続人以外の方が遺贈を受けたケースや、生前贈与によって土地を取得したケースなどは、利用することができません。
そして、利用できる土地の要件は、却下事由や不承認事由に当てはまらないことです。
却下事由には建物があることや担保権が設定されていること、汚染されていることなどがあり、これらに該当する土地は申請ができません。
たとえば、実家がある土地を手放したい場合は、解体して更地にする必要があります。
不承認事由には崖があって管理が大変なことや、管理や処分の妨げとなる有体物があることなどが挙げられ、これらの土地は申請しても承認を受けられません。
上記の利用要件を満たしている場合は、相続土地国庫帰属制度を申請できます。
申請先は土地の所在地を管轄する法務局または地方法務局であり、手続きの手順は以下のとおりです。

  • 承認申請書などの必要書類を準備する
  • 必要書類を提出し、審査手数料を納付して承認申請をおこなう
  • 書面審査と実地調査がおこなわれる
  • 承認されたら負担金を納付する

これらの手続きが終わると、土地の所有権が国庫に帰属します。

制度が制定された背景とは

この制度が制定された背景として挙げられるのは、土地のニーズが低下していることです。
以前は相続によって代々受け継がれることが一般的でしたが、近年は土地を相続しても使わないケースが増えています。
使わない土地を所有していると、固定資産税や管理などの負担が続くので、手放したいと考える方が増加しました。
さらに、不要な土地は適切に管理されずに荒廃することや、必要な登記がおこなわれないまま相続が繰り返されて所有者不明になることが多々あります。
相続土地国庫帰属制度は、不要な土地を国が引き取ることによって、そのような事態を防ぐために制定されました。

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相続土地国庫帰属制度とは②利用時にかかる費用

相続土地国庫帰属制度とは②利用時にかかる費用

相続土地国庫帰属制度を利用する際は、費用がかかります。
先述した流れを確認すると、審査手数料と負担金を納付する必要があることがわかるでしょう。
そこで、これら2種類の費用の概要や金額などを確認しておきましょう。

相続土地国庫帰属制度の利用時にかかる費用の概要や金額とは

相続土地国庫帰属制度の費用は、申請時と承認後に発生します。
申請時にかかる費用は、審査手数料です。
審査手数料の金額は、土地1筆あたり1万4,000円です。
そして、承認後には負担金を納める必要があります。
負担金の金額は、標準的な管理費用を基に算出された10年分の土地管理費相当額です。

負担金算定の具体例とは

標準的な管理費用は土地の種類によって異なるので、10年分の土地管理費相当額の負担金も土地の種類によって設定されています。
具体的な金額は、以下のとおりです。

  • 宅地:面積にかかわらず20万円
  • 田や畑:面積にかかわらず20万円
  • 森林:面積に応じ算定
  • その他(雑種地や原野など):面積にかかわらず20万円

宅地とは直ちに建物の敷地として使用できる土地であり、負担金は20万円です。
ただし、市街化区域や用途地域が指定されている地域にある場合は、面積に応じて算定されます。
田や畑の負担金も基本的に20万円ですが、市街化区域や用途地域が指定されている地域にある場合や、農用地区域にある場合は面積に応じて変わります。
なお、どの種類においても、面積に応じて算定される場合は面積の単純比例ではありません。
面積が大きいほど、1㎡あたりの負担金は低くなります。
また、負担金は基本的に1筆ごとに算定されますが、同じ種類の土地が2筆以上隣接している場合は合算できる特例があります。
特例を利用すると複数の土地でも1筆とみなされるので、負担金が軽減するでしょう。
特例を利用するためには法務大臣の承認を得る必要があるので、忘れずに申し出をおこないましょう。

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相続土地国庫帰属制度とは③利用すると得られるメリット

相続土地国庫帰属制度とは③利用すると得られるメリット

相続土地国庫帰属制度は費用がかかりますが、利用するとさまざまなメリットを得られます。
おもなメリットは3つあるので、それぞれ確認してみましょう。

メリット1:不要な土地のみを手放すことができる

相続土地国庫帰属制度の大きなメリットは、不要な土地だけを手放せることです。
これまでは、相続したくない財産を受け取りたくないときは相続放棄が必要でした。
しかし、相続放棄は遺産を相続する一切の権利を放棄しなくてはなりません。
したがって、プラスの財産を受け取るために仕方なく相続するケースや、不要な土地を相続しないためにプラスの財産をあきらめるケースなどがありました。
その点、この制度を利用すると、プラスの財産をあきらめることなく不要な土地を手放せます。
また、行政にとっても所有者不明土地の発生を予防できるメリットがあります。
不要な土地を望まずに相続すると、必要な管理や登記がおこなわれないまま相続が繰り返されて所有者不明土地となり、公共事業などに支障をきたすことが多々ありました。
この制度によって不要な土地が国庫に帰属されると、国が適切に管理や運用をすることができます。

メリット2:農地や山林も対象である

宅地に比べると、農地や山林は手放すことが困難な土地です。
農地は手放す際に農業委員会の許可が必要で手間がかかるうえ、引き継ぐ方を見つけることも難しいでしょう。
山林は境界が不明確で災害のリスクも高いなどの理由から、こちらも引き継ぐ方がなかなか見つからないと考えられます。
相続土地国庫帰属制度を利用すると、そのような農地や山林も手放すことができます。

メリット3:損害賠償責任が限定的である

通常の不動産売買では、売主は契約不適合責任に注意しなくてはなりません。
契約不適合責任とは、引き渡した不動産の品質などが契約内容と異なる場合に売主が負う責任のことです。
契約書に記載されていない破損や欠点などが見つかると、売主が知らなかった場合でも責任を負い、損害賠償請求などをされる可能性があります。
その点、この制度で売主が損害賠償責任を負うのは、却下事由や不承認事由に該当することを故意に隠して国に引き取らせた場合です。
損害賠償責任が限定的なので、安心して手続きができるでしょう。

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まとめ

相続土地国庫帰属制度を利用すると、不要な土地を国に引き渡すことができます。
費用はかかりますが、所有し続ける負担を考えると、メリットのほうが大きいといえるでしょう。
ただし、利用できる方や土地には要件があるので、満たしているかどうかをしっかりと確認しておきましょう。
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