2024-08-27
離婚にともなって不動産を財産分与する際に、不動産の評価額によっては税金が発生することがあります。
本記事では、財産分与時に不動産を渡す側にかかる譲渡所得税とはなにか、譲渡所得税が控除される特例や長期譲渡所得と短期譲渡所得の違いについて解説します。
藤沢市・鎌倉市で不動産を所有している方は、ぜひ参考にご覧ください。
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離婚の際、不動産を所有する夫婦が財産分与として不動産を配偶者に譲るケースはよくあります。
このとき、不動産を譲った側に税金が課される可能性があるため、事前に税金について確認しておくことが重要です。
財産分与における税金の有無は、財産を受け取る側と譲る側で異なります。
財産を受け取った側には基本的に税金はかかりません。
一方、財産を譲る側には場合によって譲渡所得税が発生することがあります。
不動産を財産分与として譲ると、譲った側に「譲渡所得税」がかかることがあります。
譲渡所得税は、不動産を譲渡することによって得られる利益に対して課される税金です。
譲渡所得税は所得税と住民税の総称であり、2037年までは復興特別所得税も加わります。
財産分与で不動産を売るわけではないのに、なぜ譲渡所得税がかかるのでしょうか。
その理由は、財産分与が離婚時の時価で譲渡されたものとみなされるためです。
ただし、譲渡所得税は利益に対して課税されるため、不動産を取得したときの費用よりも時価のほうが低ければ税金はかかりません。
譲渡所得税は、不動産を譲渡した際に得られる利益(譲渡所得)に対して一定の税率を掛けて計算します。
税額を知るためには、まず譲渡所得を計算する必要があります。
譲渡所得の計算式は以下のとおりです。
譲渡所得=不動産の売却価格-(取得費+譲渡費用)
取得費とは、不動産を購入したときにかかった費用のことです。
譲渡費用とは、不動産を売却する際にかかった費用を指します。
この計算式で求めた譲渡所得に対して、一定の税率を掛けると支払うべき税金の額がわかります。
なお、税率は不動産の所有期間によって異なりますが、詳細は後述する「長期譲渡所得と短期譲渡所得の違い」の章をご覧ください。
譲渡所得税は「所得税」と「住民税」を合わせたものです。
したがって、譲渡所得税が発生した場合、これら2種類の税金を納める必要があります。
譲渡所得税は、不動産を財産分与した翌年に確定申告をおこない、所得税および復興特別所得税については確定申告時に納付します。
確定申告の期間は毎年2月16日から3月15日までの約1か月間です。
この期間内に余裕を持って手続きをおこないましょう。
住民税については、翌年の6月ごろに自治体から納付用紙が送付されます。
普通徴収の場合は、4回に分けて納付し、特別徴収の場合は給与から天引きされます。
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財産分与によって譲渡所得税が課される場合でも、特例を利用すると税負担を軽減できる可能性があります。
代表的な特例の1つが「3,000万円の特別控除の特例」です。
ここでは、3,000万円の特別控除の特例の内容や適用条件について解説します。
この特例は、居住用財産を譲渡した際に、譲渡所得から最高3,000万円を控除できる制度です。
財産分与による譲渡所得が3,000万円以下であれば、この特例を利用すると譲渡所得税をゼロにすることができます。
ただし、この特例にはいくつかの注意点があります。
親族への譲渡には適用されない
譲渡する相手が親族である場合、この特例は適用できません。
離婚前に不動産の名義を変更すると、親族への譲渡とみなされる可能性が高いため、特例を利用できなくなります。
名義変更のタイミング
不動産の財産分与をおこなう場合、離婚届が受理された後に名義変更をおこなうのがおすすめです。
これにより、親族への譲渡と見なされることを避けられます。
確定申告が必要
特例を利用するためには、財産分与をおこなった翌年に確定申告が必要です。
「特例を利用して譲渡所得がゼロになるから申告は不要」と考える方もいますが、申告しないと特例は適用されません。
申告期限を過ぎると特例を利用できなくなり、節税できたはずの税金を納付することになるため、申告期限はしっかりと守りましょう。
事前に専門家に相談し、適切な手続きをおこなうことが重要です。
特例の効果を具体的にイメージできるよう、シミュレーションしてみましょう。
たとえば、8年前に購入した5,000万円のマイホーム(土地と建物)を配偶者に財産分与し、取得費が500万円、譲渡費用が100万円だったとします。
この場合、特例を適用したときの譲渡所得は以下のとおりです。
5,000万円-(500万円+100万円)- 3,000万円=1,400万円
特例を適用しなければ譲渡所得は4,400万円となりますが、特例を利用すると1,400万円に抑えることができます。
譲渡所得税は、譲渡所得に対してかかるため、特例を利用すると大きな節税効果が得られることがわかりますね。
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譲渡所得税の税率は、不動産の所有期間によって異なります。
所有期間が5年を超える場合は長期譲渡所得、5年以下の場合は短期譲渡所得として扱われます。
それぞれの税率は、以下のとおりです。
この所有期間は、譲渡した年の1月1日時点で計算します。
たとえば、不動産を2021年3月1日に購入し、2026年3月1日に譲渡した場合、所有期間は本来5年を超えていますが、譲渡した年の1月1日時点では5年以下となり、短期譲渡所得が適用されます。
そのため、所有期間が5年を超えるかどうかが曖昧な場合は、注意が必要です。
譲渡した年の1月1日時点で5年を超えてから譲渡するほうが税率が低くなるため、節税につながります。
なお、財産分与を受けた側には基本的に税金は課されませんが、例外として贈与税や不動産取得税がかかる場合があります。
それは、財産分与の対象となる財産の額が婚姻中に夫婦が得た財産額やその他の事情を考慮しても高額すぎる場合です。
このような場合、高額とみなされた部分に対して贈与税や不動産取得税が課されます。
また、贈与税を不当に免れるために離婚したと判断される場合、財産分与の対象となったすべての財産に対して贈与税が課されることもあります。
不動産の財産分与を受けた場合には、贈与税だけでなく不動産取得税も支払わなければなりません。
贈与税や不動産取得税は本来、財産分与を受けた側には課されない税金です。
これらの税金を避けるためには、適正な財産分与額を把握しておくことが重要です。
結婚後に取得した財産は半分に分けるのが原則であり、この原則に基づいて試算した金額が目安となります。
財産分与の割合が半分を超える場合や不安なことがある場合は、弁護士などの専門家に相談することをおすすめします。
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不動産を財産分与した際に、譲渡所得が発生した場合、不動産を渡した側に譲渡所得税がかかります。
財産分与で発生した譲渡所得税は、3,000万円の特別控除の適用で節税することが可能です。
長期譲渡所得と短期譲渡所得の違いは不動産の所有期間と税率の2点となり、長期譲渡所得のほうが税率が低くなります。
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