寄与分とは?相続時に寄与分が認められる要件と特別寄与料について解説

2023-12-26

寄与分とは?相続時に寄与分が認められる要件と特別寄与料について解説

この記事のハイライト
●寄与分は「被相続人の財産の維持または増加」に貢献した相続人に認められる
●寄与分の対象になるには、継続的に無償で貢献行為をおこなっていた経緯が必要
●要件を満たしていれば、相続人以外の親族も特別寄与料を請求できる

「寄与分」という言葉をご存じですか?
寄与分とは、生前の被相続人への貢献度などをふまえて、相続人同士で公平な遺産相続をおこなうための制度です。
これから不動産などを相続する予定がある方は、理解を深めておきましょう。
そこで今回は、相続時の寄与分とはどのようなものなのかについて、寄与分を認められるための要件や、特別寄与料の概要などを解説します。
藤沢市や鎌倉市で相続に関わる可能性がある方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。

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寄与分とは?相続人が主張できる内容や制度の概要について

寄与分とは?相続人が主張できる内容や制度の概要について

公平な相続とは、残された遺産を相続人で均等に分割することだけではありません。
たとえば「親の家業に従事してきた方」や、「親と同居して介護をおこなってきた方」がいる場合は、そういった被相続人への貢献が相続分に反映されるべきではないでしょうか。
このような場面で、相続人同士の公平をはかるために存在している制度が「寄与分」です。

寄与分とは

寄与分とは、生前、被相続人の財産の維持または増加に貢献した相続人がいた場合、その相続人がほかの相続人よりも財産を多く受け取ることができる制度です。
遺産分割で決められた相続分にプラスして、貢献度に応じた財産が加えられます。
たとえば1,000万円の遺産を兄弟4人で相続する場合、法定相続分に従うと1人あたりの相続額は250万円ずつです。
しかし、被相続者の介護をしてきた長男に200万円の寄与分が認められたとします。
この場合は、1,000万円から寄与分の200万円が差し引かれた800万円を兄弟4人で分割するため、1人あたりの相続額は200万円です。
長男には寄与分200万円が加算されるため、相続分の合計額は400万円となります。
寄与分が認められる主なケースとしては、「親の家業を無償に近い状態で手伝ってきた」「寝たきりの親の介護を長年続けてきた」などです。
ただし、寄与分を認めてもらうためには、相続人本人が主張し、遺産分割協議においてほかの相続人全員の同意を得なければなりません。

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相続人が寄与分の対象となるための要件とは

相続人が寄与分の対象となるための要件とは

寄与分の対象になるには、いくつかの要件に該当し、寄与行為を過去に無償でおこなっていると認められる必要があります。

寄与分が認められる要件とは

まずは、寄与分の対象となるための5つの要件について解説します。
要件1:相続人である
寄与分は、原則として相続人でなければ認められません。
たとえば「内縁の妻」「日頃から生活を助けていた親しい近隣住人」などは、被相続人に貢献行為をしていたとしても寄与分の対象外です。
ただし、「被相続人の介護をしていた長男の妻」など、相続人である長男と同等の関係性がある人物の場合は、寄与分が認められるケースもあります。
2019年には、被相続人の相続人以外の親族であっても金銭を要求できる制度が創設されました。
この「特別寄与料」については、別項で解説します。
要件2:被相続人の財産の維持または増加に貢献した
被相続人と同居して看護を続けたことで看護費用が抑えられ、結果として被相続人の財産の維持や増加につながったと認められるケースなどです。
ただし、たとえ被相続人に貢献していたとしても、その行為が財産の維持や増加につながっていなければ寄与分の対象にならないので注意してください。
要件3:特別の寄与をおこなった
「特別の寄与」とは、通常期待されている範囲以上の特別な貢献行為のことです。
たとえば、親子や夫婦間で日常的な生活のサポートをおこなっていたとしても、その行為は協力扶助義務や互助義務の範囲を超えないとして特別の寄与には該当しません。
しかし、特別の寄与の明確な定義は存在しておらず、判断が難しい場合には相続人同士で話し合って決めることになります。
要件4:無償で貢献行為をおこなった
無償、あるいは無償に近い行為でなければ、寄与分は認められません。
たとえば家業を長年サポートして財産の増加に貢献していたとしても、その対価を受け取っていた場合は対象外です。
しかし、実際は報酬が一切ない状態で家業に従事するケースはあまりありません。
報酬を受け取っている場合は、「第三者を従業員として雇った場合の報酬との比較」で無償性を判断します。
要件5:継続して貢献行為をおこなった
寄与分の対象になるには、一定期間以上、継続的に貢献した経緯が必要です。
しかし、継続性が認められる期間については法律的な定義がなく、継続性の有無については相続人同士で話し合って決めることになります。
少なくとも1年以上の継続が必要という考えが一般的です。

5つの寄与行為とは

寄与分が認められる「寄与行為」は、おもに下記の5つに分類されます。

  • 家業従事型:被相続人の家業に無償あるいは無償に近い状態で継続的に従事していた
  • 金銭出資型:被相続人が自宅を購入する際の資金援助などをしていた
  • 療養看護型:看護や介護が必要な状態の被相続人を継続的に療養介護していた
  • 扶養型:扶養の必要性がある被相続人の生活資金などを援助していた
  • 財産管理型:被相続人が所有する財産の管理をおこなっていた

どの行為も、「対価を受け取っていないこと」「その行為の必要性があること」がポイントになります。
また、被相続人の事業に資金を援助した場合、会社への出資であり被相続人への貢献だと認められないケースがあるため注意が必要です。

寄与分に請求期限はある?

寄与分を主張する期間に時効などはありません。
ただし、相続人同士の遺産分割協議が成立してしまうと、協議内容をくつがえすことは原則不可能です。
そのため、寄与分を請求する場合は、遺産分割協議が完了する前に主張しましょう。

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相続人以外でも寄与分の対象になれる特別寄与料の制度とは

相続人以外でも寄与分の対象になれる特別寄与料の制度とは

これまで、寄与分の主張は相続人にしか認められていませんでした。
しかし、相続人の配偶者が被相続人の介護を担っていたケースなど、相続人以外の身近な人物が被相続人に貢献していたという事例は少なくありません。
そこで、2019年の民法改正によって施行されたのが「特別寄与料」の制度です。
これにより、被相続人の「相続人以外の親族」が、寄与分を請求できるようになりました。
特別寄与料が認められる要件は、基本的には通常の寄与分の要件と同様です。
なお、特別寄与料を請求できる親族は、「6親等内の血族」「3親等内の姻族」となっています。

特別寄与料に関する注意点とは

特別寄与料の基本的な概要や要件は通常の寄与分と変わりません。
しかし、以下の3点に関しては注意が必要です。

  • 特別寄与料には時効がある
  • 相続税が加算される
  • 金銭出資型は認められない

特別寄与料の請求には、「相続の開始を知ったときから6か月」あるいは「相続開始時から1年」という時効があります。
通常の寄与分には請求期限が存在しないため、混同しないよう注意してください。
また、特別寄与料は「労務の提供」のみを対象としているため、金銭的な支援による貢献は特別寄与分に認められません。
なお、特別寄与料を受け取った場合、相続税が2割加算されます。

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まとめ

寄与分とは、被相続人に貢献した相続人の行為を正しく評価し、公平な遺産相続をおこなうための制度です。
2019年からは特別寄与料の制度も施行され、さらに広範囲の方の貢献行為が寄与分の対象になりました。
寄与分の要件を満たしていると考えられる方は、相続発生時にしっかり主張できるよう、知識を得て準備しておきましょう。
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