土地を相続した際に課される相続税とは?相続手続きや計算方法について解説

2023-10-31

土地を相続した際に課される相続税とは?相続手続きや計算方法について解説

この記事のハイライト
●相続税は遺産総額から債務などを差し引き、さらに基礎控除額を超えた場合に課される
●相続税は各相続人の仮の相続税額を合計したのち取得した割合で按分して算出する
●相続税評価額を計算する際には2種類の評価方式があり土地がある地域によって異なる

親が所有していた土地を相続すると、相続税が課される場合があります。
相続を控えている方のなかには、どれくらい相続税が課されるのか不安な方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、土地を相続した際に課される相続税の概要や計算方法、相続税評価額について解説します。
藤沢市や鎌倉市で相続を控えている方は、ぜひ参考にしてみてください。

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土地を相続した際に課される「相続税」とは

土地を相続した際に課される「相続税」とは

相続が発生した場合、相続人が取得した財産に応じて「相続税」が課されます。
しかし相続を控えている方は、はじめて財産を相続するというケースが少なくありません。
そこでまずは、相続税とはどのようなものなのか、その概要と相続手続きの流れについて解説します。

相続税とは

相続税とは、親などが所有していた財産を相続した方に課される税金です。
相続財産には、現金や預貯金だけでなく、土地や建物といった不動産なども含まれます。
ただし、相続した財産すべてが課税対象ではありません。
被相続人が所有していた財産から、債務や葬式費用、基礎控除額、保険金や退職金などの非課税枠を差し引いた金額に対して相続税が課されます。
なお相続税は、「被相続人が死亡したことを知った日の翌日から10か月以内」が申告期限です。
基礎控除額とは
相続税は、一定額以上の財産を相続した方に課される税金です。
この一定の金額のことを「基礎控除額」といいます。
言い換えると、相続税は遺産総額のうち基礎控除額まではかからず、基礎控除額を超えた部分に課されるということです。
基礎控除額は、「3,000万円+600万円×法定相続人の数」で計算します。
具体的な計算方法は次章で解説しますが、法定相続人1人につき基礎控除額が600万円ずつ加算されるため、法定相続人が多いほど控除できる金額が大きくなります。

土地を相続した際の手続きの流れ

土地の相続は以下のような流れで手続きします。

  • 遺言書の有無を確認する
  • 法定相続人を確定する
  • 相続財産を確定する
  • 遺産分割協議をおこなう
  • 相続登記をおこなう

まず遺言書の有無を確認し、遺言書がある場合はその内容に沿って相続手続きを進めます。
遺言書がない場合は、だれが法定相続人としての権利を有しているのか、相続財産はどれだけあるのかを調査して確定しなければなりません。
法定相続人が複数人いる場合は、だれが、どの財産を、どれくらいの割合で相続するかを、法定相続人全員で話し合って決めます。
これを「遺産分割協議」といい、決めた内容に沿って相続手続きをおこないます。
土地については、名義を被相続人から相続人へと変更する「相続登記」が必要です。

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土地を相続した際の相続税の計算方法

土地を相続した際の相続税の計算方法

実際に土地を相続するにあたって、どれくらいの相続税が課されるのかを事前に把握しておくと安心ですよね。
そこで次に、相続税の計算方法について解説します。
相続税の計算手順は、以下のとおりです。

  • 課税対象の遺産総額を計算する
  • 相続税額を計算する
  • 取得した割合に応じて相続人ごとの相続税を計算する

それぞれどのように計算するのか、順番に解説します。

課税対象の遺産を計算する

まず現金や預貯金、不動産など、すべての遺産を合計し、遺産総額を算出します。
土地については、市場で取引される相場ではなく、相続した時点での相続税評価額を合算します。
先述しましたが、相続税の課税価格は、遺産総額から債務や葬式費用、基礎控除額、非課税枠を差し引いた金額です。
具体的には、以下のように計算します。
課税遺産総額=遺産総額-債務や葬儀費用-非課税枠-基礎控除額
この計算の結果がゼロ以下になった場合、相続税は発生しません。

相続税の総額を計算する

次に、各相続人が法定相続分を受け取るとして、以下の計算式で仮の相続税額を計算します。
各相続人の仮の相続税額=課税遺産総額×法定相続分×税率-控除額
取得した遺産の金額に対する税率と控除額は、以下のとおりです。

  • 1,000万円以下…税率10%、控除額なし
  • 1,000万円超え3,000万円以下…税率15%、控除額50万円
  • 3,000万円超え5,000万円以下…税率20%、控除額200万円
  • 5,000万円超え1億円以下…税率30%、控除額700万円

たとえば課税資産総額が3,000万円、法定相続人が配偶者と子ども2人の場合、配偶者の取得金額は1,500万円、子どもは750万円ずつです。
この場合の配偶者の相続税額は、「1,500万円×15%-50万円=175万円」となります。
子ども2人の相続税額は、「750万円×10%=75万円」ずつです。
各相続人の仮の相続税額が算出できたら、それらを合算したものが相続税の総額となります。
上記の例では、325万円が相続税の総額です。

取得した割合に応じて相続人ごとの相続税を計算する

実際に各相続人が負担する相続税額は、相続税の総額を各相続人が実際に取得する割合で按分して計算します。
計算式は以下のとおりです。
各相続人の税額=相続税の総額×各相続人が取得した財産の課税価格÷課税価格の合計
ただし、配偶者は法定相続分もしくは1億6,000万円まで非課税です。

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土地の相続税における評価額とはなにか

土地の相続税における評価額とはなにか

最後に、相続税評価額とはなにか、土地の価額を算出するための2種類の評価方式について解説します。

相続税評価額とは

遺産総額を計算する際、相続財産が現金や預貯金のみであれば価額がわかりやすいですが、土地のように金額で表しにくいものも少なくありません。
そこで国税庁では、相続財産ごとに評価基準を定めています。
そしてその定めに則って算出した評価額のことを、「相続税評価額」といいます。
土地の相続税評価額は、市場相場より安くなるのが一般的ですが、土地を売却する際の参考に活用することも可能です。

土地の評価方式は2種類ある

土地の相続税評価額を計算する際には、「路線価方式」と「倍率方式」の2種類の方法があります。
路線価方式
路線価方式とは、「路線価」を参考に土地の価格を評価する方法です。
路線価とは、路線(道路)に面した土地1㎡あたりの価格のことで、毎年7月頃に国税庁が発表します。
路線価が定められている地域の土地は、この路線価に基づいて評価するのが一般的で、主に市街地が該当します。
路線価は、国税庁のホームページに掲載されている「路線価図」で確認可能です。
まず国税庁の「路線価図・評価倍率表」というページを開き、路線価を確認したい市町村の索引図ページを選択すると、路線価図が表示されます。
路線価図の道路のうえに記載されている数値は、1㎡あたりの土地の単価を1,000円単位で表したものです。
たとえば路線価図に「200C」と記載されている道路に面した土地の路線価は、1㎡あたり20万円ということです。
路線価地域の土地の相続税評価額は、「路線価×土地面積×補正率」で計算します。
奥行が標準的な土地に比べて長い、または短い場合は「奥行価格補正率」を適用して相続税評価額を修正します。
「奥行価格補正率」についても、国税庁のホームページで確認可能です。
倍率方式
倍率方式とは、固定資産税評価額に一定の倍率を乗じて土地の価格を評価する方法です。
路線価が定められていない、あるいは路線価図に「倍率地域」と記載されている地域の土地は、この倍率方式で評価します。
倍率方式の場合の相続税評価額は、「固定資産税評価額×倍率」で計算可能です。

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まとめ

遺産を相続した際、価額がわかりにくい土地は、相続税評価額を用いて計算しますが、実際に取引される相場より安くなるのが一般的です。
相続税評価額は、相続税を把握するためだけでなく、土地のおおまかな価格を知るための目安としても活用可能です。
売却したい場合の参考にもなるため、ぜひ理解を深めておくことをおすすめします。
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