2023-06-06
不動産は物理的な分割が難しい財産のため、相続の際にトラブルになることも少なくありません。
そのため、分割方法について事前にしっかりと把握しておくことが大切です。
そこで今回は、遺産の分割方法の1つである代償分割とは何か、メリット・デメリットや遺産分割協議書の書き方、相続税の計算方法と併せてご紹介します。
藤沢市、鎌倉市を中心に不動産を相続する予定のある方は、ぜひ今後のご参考にしてみてください。
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まずは、代償分割をはじめどのような分割方法があるのか見ていきましょう。
代償分割とは、法定相続分(法律で定められた遺産の取り分)を超える不動産などの遺産を受け取る代わりにほかの相続人へ代償として金銭などを渡す分割方法のことです。
たとえば、被相続人(亡くなった方)の遺産が時価2,000万円の不動産のみだった場合を考えてみましょう。
相続人Aと相続人Bの法定相続分が2分の1ずつで相続人Aが不動産を相続すると仮定します。
このようなケースでは、相続人Aが相続人Bに対して1,000万円の代償金を支払います。
なお、代償金については金銭以外の財産の交付でも可能です。
遺産の分割方法は、ほかにも次の3つがあります。
遺産を分割する際は基本的に法定相続分にしたがって手続きを進めますが、すべての相続人の合意があればほかの割合を用いても問題はありません。
代償分割をおすすめするのは、不動産を単独で相続したい相続人がいるケースです。
現物分割なら代償金を支払わずに単独での相続が可能ですが、ほかの相続人の合意がなければ手続きができません。
共有分割は不動産を共有で所有することになるため、単独で相続したい場合には不向きな方法です。
また、共有で不動産を所有すると世代を重ねるごとに相続人と連絡を取るのが大変になったり、相続人が増えすぎてトラブルの原因になったりするため、注意が必要です。
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続いて、代償分割のメリット・デメリットについてご紹介します。
メリット①遺産を公平に分割しやすい
不動産は物理的な分割が難しい財産ですが、代償分割を選択することによって比較的公平に分割することが可能です。
なぜなら、不動産を受け取らなかった相続人は代償として相応の対価を受け取れるためです。
遺産となる不動産が自宅だった場合、そのまま相続できれば同居していた子などが住む場所を失わずにすむメリットもあります。
遺産の分割では取り分に不満を持った相続人同士でトラブルに発展するケースもあるため、公平性が保持できれば分割の手続きもスムーズに進むでしょう。
メリット②相続税を軽減できる可能性がある
不動産を相続した場合、要件を満たせば「小規模宅地等の特例」が適用されます。
小規模宅地等の特例とは、相続税評価額を減額できる制度のことです。
不動産の相続税は高額になりがちなため、売却しなければ相続税を支払えない場合もあります。
そうなれば住まいを失ってしまう方もいるため、このような特例が設けられています。
早期に売却した場合は、この特例は受けられません。
メリット③リスクの高い共有名義を防げる
先述したように不動産の共有分割(共有名義)は、将来的に相続人が増えてトラブルの元になる可能性があります。
たとえば、相続人の誰かが亡くなって次の世代に相続した場合、子が3人いれば相続人がさらに増えることになるでしょう。
このように共有名義の状態で不動産を所有し続けると世代を重ねるごとに相続人が雪だるま式に増えていきます。
そうなれば、不動産に関する手続きをおこなう際、顔も分からない相続人と連絡を取ることから始めなければならなくなります。
不動産の活用や売却などにはすべての相続人の同意が必要ですが、相続人の数が増えるほど意見がまとまりづらくなるため、トラブルに発展しやすいでしょう。
しかし、代償分割を選択すればこのような心配がありません。
デメリット①代償金を支払う資金力が必要
不動産の代償金は高額になるため、支払う相続人に資金力がなければ代償分割が成立しないことはデメリットです。
代償金の支払いは合意があれば分割も認められますが、支払えなくなった場合にトラブルになる可能性があります。
デメリット②遺産の評価方法でもめる可能性がある
不動産の評価方法は1つではなく、どの評価方法を選択するのかによって評価額が変動するため、代償金を支払う相続人と受け取る相続人で意見が分かれる可能性があります。
評価方法が決まらなければ手続きが進まず、トラブルに発展するケースも考えられます。
デメリット③贈与税や譲渡所得税の支払いの可能性がある
代償金には贈与税が発生しないのが基本です。
しかし、手続きに不備があると贈与税とみなされる可能性があるため、注意が必要です。
また、現金以外で代償金を支払った場合は、譲渡所得税が発生する可能性があります。
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最後に、代償分割の遺産分割協議書の書き方や相続税の計算方法についてご紹介します。
代償分割をおこなう際は、遺産分割協議書にその旨を記載しておく必要があります。
なぜなら、遺産分割協議書に代償金についての記載がなければ、たとえ代償分割のための金銭の受け渡しでもそれを証明できないためです。
このような場合、代償金の支払いが贈与とみなされ、先述したように贈与税の支払いが発生する可能性があります。
そのため、遺産分割協議書には「相続人○○は不動産(該当の不動産についての内容も記載)を取得する代償として相続人○○に対し金○○円を○年○月○日までに支払うものとする」などの文言を忘れずに記載しましょう。
遺産分割協議書を個人で作成するのが難しい場合は、司法書士や行政書士、弁護士などの専門家に依頼することも可能です。
代償金の受け渡しは相続税の対象になるため、計算に含みます。
ただし、評価方法によって計算式が異なる点に注意しましょう。
相続税評価額によって課税価格を算出した場合
相続税評価額を用いた課税価格の計算式は、次のとおりです。
遺産が不動産のみの場合、代償金を受け取る相続人の課税価格は代償金のみです。
時価によって課税価格を算出した場合
時価を用いた課税価格の計算式は、次のとおりです。
相続税は上記で算出した課税価格に一定の税率を掛けて算出することも覚えておきましょう。
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今回は、遺産の分割方法の1つである代償分割とは何か、メリット・デメリットや遺産分割協議書の書き方、相続税の計算方法についてご紹介しました。
代償分割にはメリットがある反面、デメリットもあるため、不動産の活用予定がない場合は換価分割がおすすめです。
リエルホームは藤沢市、鎌倉市を中心に不動産売却をサポートしております。
相続した不動産の活用方法のご相談も承りますので、これから不動産を相続する予定のある方は、ぜひお気軽にご連絡ください。